ご挨拶

秋田県書道連盟会長 秋田魁新報社代表取締役社長 佐川 博之

佐川会長

秋田県書道連盟は、昭和36(1961)年に発足した秋田書道会が前身です。秋田の書道文化の向上と振興を図ることを目的に、発足から3年後に発展的な組織改編を行い、今日に至っております。会員数は210人です。連盟展の主催や、各種講習会・研究会を通じて研鑽を積んでいるほか、書家たちに会派を超えた交流の場を提供しております。
当連盟は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックのさなかだった令和3(2021)年に、創立60周年を迎えました。歴史をひもといてみますと、10年置きに巡り来る当連盟の節目は、不思議なことに大きな災いが起きた年と符合しております。60周年を迎えた年に限らず、50周年の平成23(2011)年には東日本大震災、40周年の平成13(2001)年は米国で同時多発テロが発生しました。
大きな困難や悲しみに直面している人たちを、書の力によって少しでも元気付けようと、当連盟では災害が起こるたびに、書家によるメッセージ展などを開いております。未曽有の犠牲者を出した東日本大震災の際には、地元の秋田魁新報社とともに、東北・新潟の新聞社の協力を得ながら、「書による復興応援メッセージ展」を企画しました。国内外から復興への願いや思いなどをつづった9300点の作品が寄せられ、被災地の最後の一人が立ち上がるまで被災者に寄り添っていこうという気持ちを社会と共有しました。
秋田県には当連盟が深くかかわる二つの書道公募展があります。
一つは、小学生から一般までを対象にした県内最大規模の「秋田書道展覧会」です。これは秋田魁新報社が、1935(昭和10)年から始めた歴史ある書道展です。審査主査は中央書壇の第一人者が務めるのが常であり、第1回展は日本書道界に大きな功績を記し、「現代書道の父」と呼ばれた比田井天来が務めました。2023年の第86回展からは、日展会員、全日本書道連盟副理事長、創玄書道会会長の石飛博光さんが就任。2代前は杭迫柏樹さん、3代前は故・大井錦亭さんに務めていただきました。
もう一つの公募展は、日本画や洋画、彫刻など7部門がある「秋田県美術展覧会」です。1959(昭和34)年に書道部門が設けられてからは、秋田書道展と並んで県内新人書家の登竜門に位置付けられ、数々の優れた書家を輩出しております。 また、これら公募展とは別に、毎年松の内には、秋田市の県立武道館に幼児から一般まで300人余りが集う「新春書初め席書大会」を開催しております。武道や茶道、華道の実演など、日本の伝統文化が一同に会して彩りを添えるのもこの大会の大きな魅力です。
秋田県の書道文化の振興を図るとともに、少しでも多くの人たちに書の魅力を感じ取っていただけるよう、これからも連盟として多彩な取り組みを続けていく所存です。

秋田県書道連盟会長 秋田魁新報社代表取締役社長
佐川 博之

秋田県書道連盟理事長 秋田大学名誉教授 長沼 雅彦

長沼理事長

この度ホームページを更新して、新しく情報を発信していくことになりました。ついては、ここで当連盟の基本的な事柄を説明しておきたいと思います。

1.私達の目指すこと
私達は書道を愛好している者の集まりです。書道を専門とし、職業とする人、趣味とする人、あるいは習い始めた人もいます。熟年といわれる人、中年、年若い人もいます。様々な人が参加しています。そして、互いに協力し合い、情報を共有し書道を学んでいます。
そして、それを様々な活動を通して、県内外の方々に書道の素晴らしさを伝えていきたいと考えています。

2.組織について
上記のことを実現するために当連盟は、いくつかの部門を設けています。それらが一体となって様々な活動を行っています。年間の活動は理事長、副理事長、各部の部長、副部長からなる部長会議が主になって、総会で決まった年度計画に従って実行していきます。若手からなる活性化委員の代表も時によってこれに加わります。 秋田魁新報社は日本でも有数の長い歴史をほこる新聞社ですが、書道にも大きく貢献しています。当社主催の秋田書道展は今年で86回を数え、県展、秋田県新春書初め席書大会を主催、共催しています。そして折があれば当連盟の会員と協力して共に県内に情報を発信していくこともあります。このようなこともあり、当連盟の会長を秋田魁新報社長にお願いしています。

3.活動について
当連盟の年間の主な活動を紹介します。
(1)展覧会開催 「秋田県書道連盟展」会員が自由に制作した作品及び課題に沿って制作した作品を展示する。「秋田県新春小品書」会員の生活に密着した小品を展示する。連盟展は今年度で63回を数えます。特に40周年記念展は、秋田県と姉妹都市である甘粛省の「甘粛省書法家協会」と当会との聯展、50周年記念展は、「韓国書芸協会」と「青森書道振興会議」「岩手書道協会」と当連盟との共催、60周年記念展では台湾の「中華民國書學」と「青森県書道振興会議」「岩手書道協会」と当連盟との共催として実施されました。 (2)研修会開催 「実技研修会」会員相互の書技の向上を目指して、実際に書く、刻することを目の当たりにしながら研修します。「新年研修会」当連盟の会員あるいは、外部からお招きして講演していただく。 (3)広報 会報発行(年2回)ホームページを通しての情報発信。 (4)事業等 「秋田県新春書初め席書大会」秋田魁新報社、県立武道館、当連盟の共催。正月に県立武道館において席書大会を行う。県内の文芸、伝統芸道、武道の協力をいただいて、書道文化とのコラボレーションを図って独自の特徴のある大会として開催しています。「筆供養神事」当連盟で、建立した筆塚に集い、神事を行います。

4.今後の課題
少子高齢化は、わが国の現下の最大の課題ですが、秋田県はこの問題に直面する典型的な県です。当連盟の会員数も徐々に減じております。これは秋田県全体の人口構成上ある程度は致し方ない情況といえます。私達はこの現状を確かに受け止めつつ新たに対策をこうじていかなければなりません。それにはより一層私達の理想に向かって努力しつつ、正しく情報を発信していくことだと思っています。皆様のご協力をよろしくお願いします。

秋田県書道連盟理事長 秋田大学名誉教授
長沼 雅彦

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